英語では、人ではなく物や出来事が平気で主語になります。
The rain prevented us from going out.
これを「雨が私たちが外出することを妨げた」と訳すと、意味は合っていても日本語として不自然です。無生物主語は、主語を副詞的に読み替える——これが基本の型です。
雨で外出できなかった。
基本の型:主語を「原因・条件・手段」にする
無生物主語の文は、たいてい次のどれかに読み替えられます。
- 原因「〜のせいで/〜のおかげで」
- 条件「〜すれば」
- 手段「〜によって」
- 時「〜すると」
そして、英語の目的語(多くは人)を日本語の主語に上げます。
This road will take you to the station.
✕ この道はあなたを駅へ連れて行く
⭕ この道を行けば駅に着きます。(条件)
Ten minutes' walk brought me to the museum.
⭕ 10分歩くと美術館に着いた。(時・条件)
His illness kept him from attending the meeting.
⭕ 病気で会議に出られなかった。(原因)
頻出動詞ごとの処理
make / cause(〜させる)
The news made her rethink her plans.
⭕ その知らせを聞いて、彼女は計画を考え直した。
「〜させた」と訳せる場面もありますが、日本語の使役はやや強い響きになります。「〜して、(人が)…した」と分けるほうが自然になることが多いです。
allow / enable(〜できるようにする)
The new system allows users to update their data instantly.
⭕ 新しいシステムでは、データをその場で更新できます。
「可能にする」と訳すと硬くなります。「〜では…できる」が万能です。
prevent / keep / stop A from -ing(〜できなくする)
Heavy snow prevented the train from running on schedule.
⭕ 大雪で電車は定刻どおりに走れなかった。
否定を日本語側で引き受けるのがコツです。
remind A of B(Aに Bを思い出させる)
The photograph reminded me of my grandfather.
⭕ その写真を見て祖父を思い出した。
show / suggest / indicate(〜を示す)
The data suggest that the effect is smaller than expected.
⭕ このデータからは、効果は予想より小さいと考えられる。
論説文で頻出します。「データは〜を示唆する」でも通じますが、「〜からは…と分かる/考えられる」にすると読みやすくなります。
名詞構文とセットで覚える
無生物主語とよく一緒に出てくるのが名詞構文です。動詞や形容詞から作られた名詞が、文の中で動詞のようにはたらきます。
Attempts to explain the phenomenon in purely economic terms have consistently failed.
⭕ その現象を純粋に経済的な観点から説明しようとする試みは、ことごとく失敗してきた。
Her insistence on doing everything herself made delegating impossible.
⭕ 彼女が何でも自分でやると言い張ったため、仕事を任せられなかった。
attempts to do → 「〜しようとする」、insistence on -ing → 「〜すると言い張る」のように、名詞を動詞に戻して訳すと自然になります。無生物主語の文では、主語がこの手の抽象名詞であることが非常に多いので、2つはセットで練習すると効率がいいです。
「直訳が不自然かどうか」を判断できることが先
注意したいのは、無生物主語をいつも読み替えるべきではないという点です。
The report describes three options.
⭕ 報告書には3つの選択肢が示されている。/報告書は3つの選択肢を挙げている。
日本語でも通る場合はそのままで構いません。大事なのは直訳が不自然かどうかを自分で判定できることで、そのためには英語の構造を正確に取れている必要があります。
練習する
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