「単語帳を1周したのに、ほとんど残っていない」——英単語の学習でいちばん多い悩みです。ただ、これは記憶力の問題ではありません。忘れることを前提にした設計になっていないだけです。

覚えられない3つの原因

1. 1回の学習で覚えようとしている

人は1回見ただけの情報を長く保持できません。心理学の実験では、覚えた直後から急速に忘れ、1日後には多くが失われることが繰り返し確認されています。裏を返せば、忘れかけたタイミングで再会すれば定着するということです。

「今日の50語を完璧にしてから次へ」ではなく、「50語を7日で6回見る」ほうが結果的に残ります。

2. 眺めているだけで、思い出していない

単語帳の見出し語と訳を同時に眺めるのは、再認(見れば分かる)の練習です。実際に必要なのは想起(見て意味が出てくる)のほうです。

  • abandon 放棄する を10回音読する
  • abandon だけを見て、意味を言ってから訳を確認する

この「思い出す→確認する」の1往復が、眺める10回より効きます。当サイトのフラッシュカードを、単語面だけ見えた状態から始まる作りにしているのはこのためです。

3. 意味が1対1で結びついていない

observe を「観察する」だけで覚えると、observe the rules(規則を守る)で詰まります。1語1訳で覚えること自体は悪くありませんが、例文を1つだけ持っておくと応用が効きます。

The auditor observed the count of inventory.

(監査人は棚卸の立会いを行った)

会計の文脈では「立ち会う」に近い意味になります。訳語ではなく、その語が使われる場面をひとつ覚えておくイメージです。

続く覚え方の型

1回5語・1日3回

まとめて100語やる日と、まったくやらない日が交互に来るくらいなら、1回5語を1日3回のほうが定着します。通勤・昼休み・寝る前のように、既にある習慣にくっつけると続きます。

当サイトが連動しているThreadsの4アカウントは、この「1投稿5語・1日3回」の形でそのまま配信しています。流れてきた5語をその場で1回思い出し、あとでサイトのフラッシュカードでまとめて自己テストする、という使い方を想定した設計です。

「見た瞬間0.5秒」を合格ラインにする

3秒考えて思い出せる単語は、長文の中では使えません。見た瞬間に意味が浮かぶ状態を目標にして、詰まった語だけを翌日に回します。

英→日を先に完成させる

英語を書く・話す場面では日→英が必要ですが、まずは英→日を優先します。読解の速度に直結するうえ、日→英は英→日が固まったあとのほうが早く仕上がります。

覚えられない語は、覚え方を変える

10回やっても残らない語が必ず数語出ます。その語は接頭辞・語源・語呂・イメージなど、別のフックを1つ足すほうが早いです。

  • pre-(前)+ cede(行く)→ precede(先行する)
  • sub-(下)+ scribe(書く)→ subscribe(署名する→定期購読する)

どの単語から覚えるか

やみくもに語数を増やすより、自分が読むものに出てくる語から固めるのが最短です。当サイトでは目的別に分けて無料公開しています。

すべてカードをタップすると意味が裏返る形式で、登録も不要です。単語の例文と対訳Kindle版にまとめてあります(Kindle Unlimited 対象)。

まとめ

  • 忘れるのは前提。回数と間隔で殴る
  • 眺めるのではなく、思い出す
  • 1回5語・1日3回、見た瞬間0.5秒
  • 詰まる語だけ、別のフックを足す

まずはThreadsのアカウントをフォローして、1日15語が勝手に流れてくる状態を作るところからで十分です。